鎌倉好き集まれ!ISM-ingさんの鎌倉リポート・第7号(2004年2月6日)

荏柄天神の筆供養

当日は雲ひとつない快晴 社殿脇の神輿にも素朴なお供物

年末年始を多忙のうちに過ごしてしまい、その間何度か鎌倉行き
の機会もあったのですがリポートにまとめるだけの時間もとれぬ
うち、気が付けばもう立春。と思ったらインフルエンザにかかり
自宅静養の日々… ん?これってもしかして好機到来(^O^)?!
というわけで今回は先月25日の初天神に荏柄天神社で行われた
筆供養の「激遅」リポートです。

ふでくよう:使い古した筆や鉛筆を神前にお供えして、祝詞神事
とともに焼納して学力の向上や書の上達を祈願する行事
当日は自転車ではなく江の電を使い、鎌倉駅からぶらぶらと天神
さまを目指しました。鶴岡八幡宮から先は交通量の多い金沢街道
を避け、横浜国大付属小~西御門~清泉小~東御門へ抜ける陽当
たりの良い静かな裏道を行きます。この道を行けば清泉小学校前
の店先で昔懐かしい真っ赤な郵便ポストにも出会えるでしょう。
10:30 天神さまに到着。狭い境内は、すでに大変な賑わい
ようです。そこここに注連縄や幔幕が張られて、鄙びたなかにも
華やかな「祭り」の気分が横溢。折から見事に咲き誇る社殿脇の
紅梅が儀式に華を添えます。
10:40 来賓の記念撮影(これがまた何とも「村まつり」な
光景)が終わり、いよいよ神官による祝詞奏上/雅楽のナマ演奏
で筆供養の本番スタートです。

「鎌倉一の早咲き」で有名な紅梅が、儀式に華を添える

神官による点火 いよいよ儀式の中心に火が灯る

11:06 祝詞の儀式を終えた神官たちが、火種を持って社殿
から出てきて、境内に四角く注連縄を巡らせた中心に据えてある
梅花型の火皿に積まれた供養の筆に、その火を移します。
初めにうっすらと白い煙がひと筋、杉木立の中に立ちのぼったと
みるや、たちまち紅蓮の炎となって勢い良く燃え始めました。
ほどよく使い込まれた毛筆の黄色な竹軸が、燃え盛る炎のなかで
みるみる真っ黒な炭の棒と化し、一条の白い煙となって真っ青な
空へと吸い込まれて行きます。
11:13 来賓による焼納に続いて、一般の参詣者による焼納
が始まりました。特に焼納する筆を持参しなくとも、すでに神社
に奉納済みの古筆を神官から受け取って火にくべ、手を合わせる
だけでOK。たちまち焼納参加希望者の長い行列ができました。
このころになると境内一帯にはケモノの毛が焼けるニオイが立ち
篭め、これがまぎれもない「葬儀」であることを実感しました。

一般参詣者による焼納

供養を終え、門の向こうには春陽あふれる鎌倉の街

11:24 さしも山なす古筆も、炎があがればたちまち一握の
灰燼に帰し、炎が消えて白煙のくすぶりに変わるころ人々も帰途
につきます。と言っても時間はまだお昼前。お腹も減ったし天気
も良いし、さぁ~て、これから何処へ行こうかな?

と、いうわけで第7号リポートはおしまいです。
おつきあいいただき、ありがとうございました。