鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第30号(2004年11月27日)

Indian summer

秋の実り

今年の紅葉はどんなあんばいかな…♪
…と大いに期待して出かけた小春空の日曜日。

…なのに…。
いろは楓はまだ青々と瑞々しく、
銀杏は黄金に色付く前に、縁から僅かに枯れ模様…。
何だか、いつもと勝手が違う。
それもそのはず、あれだけ台風が上陸したんだもの。

《私たちがいるじゃない》
参道脇の紅い万両と白い小菊が、
しぼんだ心を慰めてくれるかの如く。
それならば・・・と視線を足元へ。
今年は雨が多いから、こんなに大きく育ってる。
地面にしゃがんで、シダの群生にカメラを向ける。
葉裏を観察したり、百足のような葉数を律儀に数えてみたり。

次なる標的は「苔」。
白い椿がほのかに彩りを添える。
蘚苔植物といってね、
有性世代(配偶体)と無性世代(胞子体)との交代を
規則正しく繰り返すんだ…胞子体は配偶体に寄生して…。

あのぉ~付かぬ事を伺いますが、貴方いつから生物学者に・・・?

落椿

灯篭

こんなとき、
これまで気にも留めなかった被写体が妙に気になるもの。
池のほとり、灯篭付近をぐるぐるまわる。
しかし、ショゲル気持ちは否めない。
石のようにガツンと強い心で辛抱強く、我慢、我慢。
来週があるさ、それがだめでも来年が。

あら不思議。 貴方の横顔がだんだんと、
顎鬚の似合う渋好みの”おじいさん”に見えてきた!?
更なる極めつけは、「鐘」。
気持ちはわかるけど…そこまで固執しなくても。

カネ、カネ、カネ…。
いっけん誤解されそうな言葉を独り呟きながら、
鐘楼の傍へと近寄り、橙色の夕日に映る鐘楼を見上げた。

今年も、あと1ヶ月だなぁ。

鐘楼

明障子

ふいに裏の谷戸から、ひんやり冷たい空気が下りてきた。
今日の撮影はこれまで。

・・・とそんな時分、
本堂障子の僅かな隙間から、とっておきの光景が。

きっと、この秋、精一杯のお披露目だろうね。
いろんな秋の姿があっていい。…あるからいい。

*以上、晩秋の鎌倉における、
家人の寂しい行動特性(期待はずれて…バージョン)でした。