鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第39号(2005年2月18日)

The warm color effects

  
  
 仏教では、古代インドの宇宙観を受け継ぎ、
 「世界は須弥山を中心に立体に広がっている」と説く。
  
 その須弥山を象り、仏教観を表わす明月院の石庭。
 振り向かば、本堂丸窓から朝靄の後庭園を眺む。
  
  
 人の世は その山裾の 孤島にありき
 

枯山水庭園

ご自愛のほど

 開山堂前。
 
 くつろぎの胡座で、
 一輪挿の花鉢を大事そうに両手に抱え、
 安らかな笑みをたたえるお地蔵様。
 
 淡いクリーム色の水仙に、
 ざっくり編まれたオレンジ色のマフラー。
 似合いのコーディネートだね。
 
 首元さえ温めておけば、風邪知らず・・・。
 ふと、おばあちゃんの知恵袋を思い出した。
  
       
 「これ、何て名前の花?」と聞かれて、
 「ろうばい」と応える。
    
  ・・・隣に、
  内股歩きで、ソワソワ,マゴマゴ,ウロウロする彼。
   
 「なに?」
 「狼狽。」
 「・・・。」

ろうばい

万作

    
    
 「これ、さっきのお寺でも、咲いてたよね。」
  ちょっぴりイジワルして、彼に訊ねてみる。
 
 「こさく。」
 「ブー。」
  
 「たごさく。」
 「ちがう!」
 
 「よさく。」
 「△×□・・・(モウ、シラナイッ)。」
    
 吐く息白く、笑い声も高らかに、
 シルバーガイドさん付きご一行様方が、
 わいわい賑やかに石段を登って行く。
    
 見送るその後ろ姿に思う。
   
 雨水といえども、まだまだ季節は冬。
 帽子に手袋、耳当て、スパッツ・・・
 防寒対策万全にして尚、草木の芽吹きに触れたい如月。
   
   
 春待ちの あったか色の 成せる業かな
  

鎌倉石の参道