鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第59号(2005年7月25日)

In a Sunday morning

  
  
  宅間ヶ谷の竹林に
  葉ずれの音がサヤサヤと。
  


  ―― 海の音かと疑ったが、やはり山の音だった。
      遠い風の音にも似ているが、
      地鳴りとでもいう深い底力があった ―――。 
                    川端康成『山の音』より

坐禅を終えて

供養塔

  
  

  茅葺 入母屋造りの鐘楼。
  大小百基あまりの五輪塔が寄り添う。
  
   
   
    いさをしも槍も刃も埋もれて
    悄に寒し松風の音
    華の世を所業つたなく散る君に
    香一片を焚きておろがむ
       (報国寺前住職 菅原義道和尚)

  
  

  
    孟宗の竹林。
    ほのかに灯る常夜燈。
    
    石仏に供えられた 一輪の紫陽花。
    少しだけ辛そうに 首を擡げる花片。
    優しさと儚さとを 一心に感じて。

石仏

永享の乱 足利義久(十一歳)ここに自刃

   
   
   
   報国寺迦葉堂裏 山水の石庭。
   絶壁にぽっかりと やぐら群。
   空青に 鳶が悠然と舞う。
   
   
   
     歩き来て もののふ果てし岩穴の
     ひやけきからに 古おもほゆ
                  (木下利玄)
  
  
  
  
  
    潤う慈雨に
    ぐんぐん生長する筍。
    夏から秋にかけ 
    その濃緑をいっそう豊かに。
    
    
    
    やがて迎える《竹の春》。

竹林の茶席