鎌倉好き集まれ!山田海人さんの鎌倉リポート・第21号(2005年6月23日)

鎌倉沖の深海の様子

威嚇するアカザエビ

 蒸し暑い季節になりました。 そこで涼しい深海を
覗いてみましょう。

 鎌倉沖の深海で代表的なのがアカザエビです。相模湾の
水深300mで撮影しました。 砂泥の海底に巣穴を掘って
棲んでいます。 
 この画像を見て遠くアメリカミシシッピーから鎌倉へ来た
アメリカザリガニをイメージした方はかなりのナチュラリスト
ですね。長いヒゲやハサミを挙げて威嚇する様子はアメリカザ
リガニと同じです。
 やはり砂泥の水深300mあたりに棲む深海性の
イソギンチャク、ダーリアイソギンチャクです。 
海底に花が開いたように拡げた触手に触れた生き物を
口に運んで食べています。 海底の表面の流れは、ゆる
やかな流れで1秒間に5~10センチほどです。
 これを超える速い流れでは泥も流されはじめ、さらに
速くなり1秒間に50センチ(1ノット)を超えると
海底にリップルマーク(凹凸の縞模様)ができはじめます。

深海の花のようなダーリアイソギンチャク

大きなオトヒメノハナガサ

 海底に咲いたようなと言えば、このヤマユリのような
ものはヒドロ虫類の仲間オトヒメノハナガサです。
相模湾水深580mで撮影されました。
 オトヒメノハナガサは流れの下に向けて咲いていて、
流れをのぼってくる遊泳力のある生き物を食べています。
大きなものは高さ1メートルを超えるものもいます。
 相模湾の深海にはカガミダイも棲んでいます。
と言っても発光したり、形がグロテスクな深海魚では
ありません。 定置網に入ったりと魚屋の店先にならぶ
こともあるカガミダイです。強いて言えば目が大きいこと
ぐらいでしょうか?
 ヒレは柔らかくて大きいので、あまり速い流れはきらいな
ようです。このあたりが深海魚らしさかも知れません。

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平べったいカガミダイ