鎌倉好き集まれ!山田海人さんの鎌倉リポート・第35号(2005年9月5日)

インクビンを拾う

台風のうねりに寄せられたインクビンを拾う

 先週土曜日に鎌倉の浜辺でインクビンを拾いました。

 透明なガラス、そして正方形のインクビンで、側面
 にはエンボス(凹凸)で CAW ' S INK 1134 '7と
 書かれていました。 口はコルクの栓をしていたよう
 でネジは切っていません。そして少し傾いています。

 そしてビンの表面は、粗くガラスの中には小さな泡が
 いくつも入っています。相当古いガラスビンです。
 インターネットで調べてみました。
  CAW ' S INKはアメリカのニューヨーク
 の会社で1886年に製造開始されています。

  アメリカの大統領も使っていた有名な
 インクビンのようで1890年頃には東京の
 丸善と販売契約しています。

ビンには CAW ' S INKと書かれていました。

これまでインクビンは4個拾いました。

 これまで4個のインクビンを拾いました。
 鎌倉は著名な文士が住んでいた所ですから
 インクビンにはそれぞれ文士の思い入れも
 あったでしょう。

古いエンボスの文字が読めます。

 パイロットのインクビンも拾いましたが
 この写真のようにエンボスは文字の並びから
 も古さが伝わってきます。

 古いインクビンは売れない文士の時代に書いて
 いたのでしょうか? なにか物語っているよう
 です。
 このインクビンはパイロット製の大型インクビンで
 60cc入りです。
 これは容量も大きくちょっと長方形のガラスビンです。
 
 鎌倉の海岸に割れずに打ちあがったインクビン、そして
 19世紀に造られたアメリカ製のインクビン、どのような
 経緯でこの鎌倉の海辺にたどり着いたのでしょうか。
 鎌倉の文士が係わっていたのではとインクを使った人を
 想像するのもビーチコーミングの楽しみかも知れません。

パイロットの大型インクビン