鎌倉好き集まれ!KIさんの鎌倉リポート・第69号(2007年11月16日)

富士と江ノ島

今回は湘南鎌倉の海のシンボルともいえる富士山と江ノ島の風景(+α)をさまざまな角度から観てみましょう。

鳥の大群が舞う早朝の稲村ガ崎

まずは早朝,稲村ガ崎から望む富士山と稲村ガ崎。
 ここは言わずと知れた富士&江ノ島風景,定番中の定番といったところでしょうか。
 まだ薄暗い中,江ノ電,稲村ヶ崎駅に到着し定番スポットへと向かいました。
 待ち続けること数十分,次第に明るくなってきます。
 鳥たちが朝の訪れを告げるころ,富士が薄紅色に染まってきました。

気分爽快です。

 この日は午後の便で沖縄に行く予定。
 鎌倉駅に出て朝食をとった後,昼過ぎまで秋晴れの海を堪能してから羽田空港に向かいました。

飛行機の窓から見る江ノ島(画面下方の島影)とそのバックに大きく佇む富士山

午後3時半,ところ変わって,那覇行きの飛行機の中。
 羽田空港を飛び立ってまもなく,

ああ・・・

 巨大な富士山とその手前にちっぽけな江ノ島が目に飛び込んできました。
 はるか上空から見る富士と江ノ島は稲村ガ崎から見たのとはまた違った風景。
 江ノ島のはるか向こうにそびえる巨大な富士山。そして,江ノ島を囲むような弓なりの湘南海岸の海岸線。
 自分,いつもはあの海岸線を歩いているのですね・・・
 頭ではわかっていても,目の当たりにする実際の位置関係と大きさは感慨物です。


那覇空港に着いた翌日はもちろん沖縄見物。
 沖縄の東海岸の与勝半島にも出かけました。当日はあいにく天気がよくありませんでした。右の写真は同じ場所をこの8月に訪れたときに撮った写真を代わりに紹介しています。
 ここからはるか北東1500キロのかなたには,おなじみの湘南の海岸と古都鎌倉があるのです。
 
沖縄湘南鎌倉黒潮の海でしっかりとつながっているわけさぁ~

と同行していた沖縄の知人。

傍らで思わず大きく相槌を打ちました。

与勝半島と平安座島を結ぶ海中道路からの風景(8月撮影)

遠く離れていても,確かに地理的には沖縄と鎌倉はつながっている。けれど,それだけじゃない。
 お互い文化の交流があったのですから
初耳の人には信じられない話だけれど,その昔,太平洋の大海原を介して人,モノ,文化の交流が沖縄と鎌倉の間にはありました。
 その一例は,昨年,レポートNo.27で紹介した首里の円覚寺。北鎌倉の円覚寺を手本にしながらも琉球独自の装飾美を施した琉球の円覚寺が首里城のすぐそばにかつてありました。
 中でも沖縄本島の東に位置する与勝半島(うるま市与那城・勝連地区)は日本本土との交易窓口として大いに栄えました。
 当時,城が置かれていた勝連はその繁栄振りゆえに,「ヤマト(日本本土のこと)の鎌倉」に喩えられました。

沖縄の東海岸と鎌倉は地理的にも歴史的にも深いつながりがあったらしいことが最近の考古学研究などで示唆されています。

勝連城址~真南風plusさんより借用(※註)

森戸海岸から観る富士山と江ノ島

そして,その沖縄東岸と切っても切れない関係の湘南へと再び戻って参りました。

正午過ぎに羽田空港に到着して,その足で今度は葉山の森戸海岸へ。

稲村ガ崎では左に江ノ島,右に富士山でしたが,ここでは左に富士山,右に江ノ島に逆転した風景。
 ちなみに江ノ島と富士山がペアではっきり見えるのはここ葉山町が東の限界だとか・・・
 
沖縄からの帰途,葉山の海で黄昏の富士と江ノ島の風景を堪能しました。

この風景もまた太平洋を介して沖縄の島々と接しているわけですね・・・
・・・以上,今回はいろいろな角度と切り口から,湘南のシンボル「富士と江ノ島」を眺めてみました。







(※註)
この勝連城跡の写真だけは自分が撮ったものではなく,真南風plusさんより借用させていただいたものです。
真南風plus:http://www.ocvb.or.jp/