鎌倉好き集まれ!女将さんの鎌倉リポート・第35号(2006年9月12日)

「鎌倉ものがたり」を歩く ☆佐助稲荷神社☆

佐助稲荷神社への道

第34号の「銭洗弁天」への道の途中に「佐助稲荷神社」へ行く入り口があります。
「くずきり みのわ」の少し先になりますが、、、

今日は「銭洗弁天」の境内にある「こくに茶屋」横から「佐助稲荷神社」へ行く事にしましょう。

山道を歩くとすぐに住宅地になり、5分もしないうちに目の前にまたこんもりとした山が見えてきます。

ここは佐助ヶ谷

鬱蒼とした木々の中に「佐助稲荷神社」の赤い鳥居と赤い幟が浮かび上がって、少し異様な空気さえ感じます。

苔むした階段の両脇にはお稲荷様が並びます。

この「佐助稲荷」は、伊豆に流罪となった頼朝の夢枕に立ち、平家討伐の旗挙げを勧め勝利を約束したそうです。

「銭洗弁天」は頼朝の夢枕に立ち「鎌倉の繁栄」を保証したと言われているので、頼朝は「お稲荷様」と「弁天様」に守られたんですね。


さてさて「銭洗弁天」界隈の葛原が岡と「佐助稲荷神社」がある佐助ヶ谷

この辺りは「隠れ里」でもありました。

この地に古くから住む先住民は、桓武天皇の第五皇子(後に葛原親王と称される)が指揮する戦いに敗れ北方に逃たのですが、一部の先住民は葛原が岡の片隅のこの辺りに身を隠しました。

長い歳月の後、彼らは頼朝旗挙げの際に通信伝達などの裏方仕事で源氏を支えたそうです。

頼朝がこの「隠れ里」を訪れた時一人の美しい娘に一目惚れし、娘は頼朝の子を身籠もります。

その娘の姿を現代に見ることが出来ます。

9月18日に坂の下の「御霊神社」で行われる「面掛行列」

爺、鬼、異形、鼻長、烏天狗、翁、火吹男、福禄寿の面をつけた8人の後に続くはおかめの面の妊婦
大きなお腹をかかえて、10人目の産婆さんに扇子であおいでもらっています。

そのおかめの面の女性が頼朝の寵愛を受けたあの「隠れ里」の娘です。

別名「はらみっと行列」

「鎌倉ものがたり」 第1巻 第2話 「隠れ里の花嫁」

亜紀子はある日一人で建長寺までハイキングに出かけます。
長谷1丁目の住まいからは「大仏ハイキングコース」を行き、葛原が岡神社横から浄智寺へと降りるルートですね。

一色先生からは途中にある奥山寺の和尚さんに土産を届けるよう頼まれました。

ところが狐が化けた平家の残党に「隠れ里」の落人部落へ連れ去られてしまいます。

狐の目的は亜紀子が持っていた和尚さんへの土産「梅花はんぺん」だったのですが・・・


*西岸良平のミステリーコミック「鎌倉ものがたり」は、長谷に住む推理作家一色正和と若き妻亜紀子が織りなすミステリーとロマンの物語