今年、没後50年を迎える鏑木清方は、戯作者であり新聞人でもある父・條野採菊や、芝居好きな母親、草双紙を読み聞かせてくれた祖母などの影響を受け、幼い頃から、文学と芝居に親しみ育ちました。画家となってからは、挿絵画家として多彩な登場人物を描き分けるほか、浮世絵の研究にも努め、豊かな人物表現を身に付けました。 文章に綴られ、また、舞台上で演じられる物語を深く理解し、登場人物の心情に心を寄せて描いた作品群は、清方芸術の特徴の一つとなっています。 本特別展では、文学や芝居に精通した清方が、自らの心の琴線に触れた物語の女性たちを描いた作品を通して、近世から近代にかけての詩情豊かな物語世界をご紹介します。

【投稿者:鎌倉市鏑木清方記念美術館】 管理No.101069
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