トップ鎌倉好き集まれ!もちださんトップ 第324号 


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もちださんの鎌倉リポート No.324(2018年12月20日)



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 観光地でもっとも静かなのは早朝。人も車もいたってすくない。観光寺院はしまっているが、これまで目も止めなかった屋敷神の名も知れぬお稲荷さんが、朝日をあびて真っ赤に光っていたりする。

 いぜん朝早く百八やぐらの撮影にいったら、ハイキングコースの出口にあたる建長寺がしまっていたことがあった。日中は拝観料を払って境内を抜けることになっている。鎌倉学園のわきの通用口を開けてこっそり出たのだけれど、これはまあ、しかたがない。法的にいえば「緊急避難」。いい顔はしないだろうけれど、まさか戻れとはいうまい。


 八幡宮の旧近代美術館(レポ172参照)。来年は「鎌倉文華館鶴岡ミュージアム」になる予定とか。江戸時代から本殿の廻廊にもうけた宝物殿は有料のわりにいまいちせまい印象だし、鶴岡文庫も記名式でちょっと入りづらいから、展示物の一部をこっちにちょっとうつすのかも。ガラスのカーテン‐ウォールでできた新館部分(右がわ)はすでにこわされ、完成予定図では芝生広場になるらしい。

 そういえば市役所ももうそろそろ建て替えで移転だとか。世田谷区役所の老朽ぶりにくらべたら、まだまだ使えそうな気もするけど・・・。近年、町田市役所がちょっと不便なところに移ったりしているが、広くなった分、いまは閑散としてかえって職員が暇をもてあまし、怠けているように見えてくるからふしぎだ。狭くて不便で重い資料を抱えてあちこち動き回っているほうが、市民のために一所懸命働いているようにみえるということも、心得ておくべきかもしれない。いろいろ貰ってるんだし、不祥事や「赤旗日曜版」の押し売りと縁を切るためにも、きっとそのほうがいいと思う。


 異常なほど混雑する小町通りも、朝はだいたいこんな感じ。人通りがないぶん、いろんな店の看板とかをゆっくり眺められる。この時間帯ならしげしげとみていても、怪しむひとはいない。

 人間はサル以来、群れで生きる社会的動物だから、会社や学校などの「居場所」に異常なほど執着するし、ひたすら「他人と同じ」であることを求めるのかもしれない。本能的・無意識に行列や雑踏を好み、寂しい場所に不安や焦燥を覚える人もいるんだろう。

 小町通りには毎週のように撮影があって、さま〜ずとかカトパンとかにこるんとか、いろんな芸能人がくるらしいのだが、不思議にロケをみたことは一度もない。その手のくじ運が全くないのか、注意力が散漫なのか。そもそもどこも開いていない、こんな朝に通ったりするのも原因なのかも。ちょうど昔かよった都内の幼稚園がこんな繁華街の片隅にあって、朝のふんいきがこんな感じだった。いつのまにか有名芸能人が多数すむようになり、街歩き番組にでたり、TVで飲み歩きを自慢するようになったのもおなじだ。 


 駅前・鳥居わきの不二屋の看板のうえにはおなじみのペコ・ポコの人形が手を振っている。3・4歳くらいのころ、三軒茶屋の不二屋2Fで「ペコちゃんサンデー」なるものをなんども食べたような記憶がある。そこも、キャロット‐タワーの造成で掘り返され、ずいぶんまえに消えてしまった。いまさら食べたいわけでもないのだが、たぶん江の電と昔の世田谷線が似てるせいなのだろう、ここを通るたび2Fの文字と、例の「サンデー」の存否が気になっていた。

 なんのことはない、web検索したら記憶に寸分たがわぬ画像が、すぐにでてきた。ペコちゃんの棒チョコがささった、子供サイズの小さなパフェ。いまはガストなんかにも、似たようなのがある。昔も今も、わがままなちびっ子には、お子様ランチなんか出す、こういうリーズナブルなお店がちょうどいいのだろう。ただ、小学生くらいになるとじぶんで買い食いできるようになって、こんなんじゃだまされなくなってくるわけだけれど。

 イワタ珈琲にはもうちょっと上級なプリン‐ア‐ラ‐モードとかフルーツ‐サンドとか、名物「分厚いホット‐ケーキ」なんかがある。それにクリーム‐ソーダ。なつかしさがこみあげるものの、甘党じゃないのでそんなにトキメかない。


 京都といえば六角堂ちかくのイノダだったり、倉敷といえば大原美術館のすぐ手前のエル‐グレコだったり、「いちおう行っとかなきゃ」という老舗喫茶店はいくつかあり、イワタ珈琲もそんな店のひとつのようだ。むかしサルトルをかじってみようと島森書店で買ってここで読んでみたが、あまりに退屈で断念。

 老舗というだけに、いろんな文豪とか内外のスターがたちよったという話にことかかない。天ぷら「ひろみ」とか、いまだに続いている名店が雑居ビルかなんかにはいっている。もちろん名もしれぬ店・新規参入の店のほうが圧倒的に多いのだけれど、若者にとってはジョン‐レノンなんかより、テレビや雑誌、食べログかなんかで紹介してるところに、あこがれるのかも。評判になるまでの道はけわしく、最新の店はどんどん増えるし、観光シーズンにはさらに海の家とか、手作りパンのワゴン販売に挑戦する者も。

 ルーフ‐トップスもパンは日進堂(レポ242)のだというので、あるいみ老舗といっちゃ老舗の味。上写真のクレープ屋とかも、たぶん相当まえからあったように思う。きっと昭和の「竹の子族」かなんかが原宿でじまんげに食べていた時代にできたのだろう。まずかったら、つぶれてる。


 乃木坂の「地球が丸いなら」って曲のPVに、江の島鎌倉のはやりの店が網羅されているときいて、この夏YouTubeでみてみた。上述をふくめ、みのわにルセットなど、ほぼ全部知ってる店だったので、ほっとする。美少女アイドルになんか興味は無いけど、「完全に時代遅れのおじさん」はちょっといやかも(笑)。

 作詞はおなじみの秋元さんだから、あたりまえにやってくる人生の別れとか、一瞬で消え去ってゆく青春の日々とか、まいどお得意の苦くてあまずっぱい、そういうものを歌ってるようだ。コード進行は中級。もし地球が丸いなら、失ってゆくものもきっと、あの水平線をまわって、いつかまた帰ってくる・・・そんな歌詞。

 お笑いタレントの平野ノラさんなどがバブル時代の扮装を笑いのネタにしてたけど、一個ものたりないのは、スプレーでつんつんに立てた前髪。「なにをしてもいい、ただし俺の靴にだけは手をだすな」っていうカール‐パーキンスの「ブルースェード‐シューズ」じゃないが、みんな異常にこだわって、ここだけは絶対に触らせないほど大事にしてたのに。死んじゃった当時人気のバブル漫画家・中尊寺ゆつこさんだっけ、相当強調して描いていたようにおもうのだが・・・。



時計、見てみて
 さきのPVの最後に、高校最後の校外学習(?)を中抜けして鎌倉食べ歩きを満喫した女の子たちが、バスに戻ってローファーについた砂をこっそり払うシーンがあった。靴で思い出したけど、六・七年まえの入院時に適当に買ってもらって穿いて帰っただけの靴、もったいないので穿いてみたら駅の段階で底がとれた。

 ミッド‐ソールの発泡ポリウレタンなんかに、「よくあること」らしい。「よくあること」?・・・裏ゴムのない靴はほとんどボール紙一枚入った足袋に等しく、視覚障害者用の黄色いれろれろでさえ、河原石を植えた健康歩道のように足裏にこたえる。コンビニで「瞬間接着剤」をさがしてみたが、まるで納豆のねばねば。24時間しなければ固まらないとか。「瞬間超強力ハイパーZ」などと謳いやがって、実にばかげたしろものだ。まだ靴屋は開いてないし、浜で塩水なんか吸った日には、残った部分も完全崩壊するだろう。あきらめて駅にもどったのはまだ朝の八時。・・・もちろん靴は捨てた。


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