一千四百余年にわたる「香の文化」は、それぞれの時代のなかで花咲き実を結び大切に受け継がれてきました。
平安時代には貴族社会に雅の彩りを添え、その後寿永二年(1183年)秋、源頼朝により相州鎌倉の地ではじまった鎌倉幕府では「武家の香文化」として独自の発展を遂げます。
たとえば、戦の前は討たれたときに備えて兜に伽羅を焚きこんだ武士の話が伝わっています。
京都の雅やかな「公家の香文化」とはちがい、いさぎよくも凛とした武士ならではの心映えをただよわせています。
このころから香を商う者が鎌倉に居を構えていたようです。
室町から江戸時代へと移るにつれて、香は町人文化へとひろく浸透していきました。
明治になると天薫堂の始祖である天才調香師鬼頭勇治郎により香水香「花の花」とお線香「毎日香」がつくられ(明治42年)、国内シェアNo.1となりました。
そして昭和60年、古都鎌倉に「武家の香文化」継承の旗を掲げ鬼頭天薫堂が復元されました。
せわしない現代生活で多くの人々が希求する本物の薫りをお届けしたい~
わたしたちは、この歴史の息づく地にしっかりと根ざし、新しき時代の新しき香り文化を育みます。