ほぼ週刊サキドリニュース

2023年4月11日付の記事
特別展「開館25周年記念 清方、鎌倉に住まう。 ―晩年の作品を中心に―」

この春、日本画家・鏑木清方の旧居跡に建つ当館が開館25周年を迎えることを記念し、鎌倉での制作を振り返る特別展を開催します。
太平洋戦争の終結を疎開先の静岡の御殿場で迎えた清方は、生まれ育った東京には戻らず、温暖で穏やかな鎌倉に活動の場を求め、昭和21年(1946)の春に御殿場から鎌倉の材木座に移り住みました。「うちに居れば閑静で、戸外へ出れば賑やかなところ」(『續こしかたの記』)と、鎌倉を気に入った清方は、文化勲章を受章した昭和29年(1954)、雪ノ下に居を構えました。5年前の日展へ《先師の面影》を出品したのを最後に大展覧会からは退いており、雪ノ下では「市民の風懐に遊ぶ」と称して、文学に取材した作品や明治を追懐した作品なaど心の赴くままに制作しました。
 本特別展では、明治の東京の庶民生活を描いた《朝夕安居》や夏の女性の爽やかな装いに趣を  感じて制作した《夏ざしき》など、清方晩年の26年間の画業をスケッチなどとあわせて紹介します。