ほぼ週刊サキドリニュース

2023年5月24日付の記事
清方生誕145年記念 東の美人画家、鏑木清方 ~上村松園とともに ~

今年生誕145年を迎える鏑木清方は、明治から昭和にかけておよそ70年にわたり、東京画壇を 代表する日本画家の一人として活躍しました。若い頃は、挿絵の仕事で人物表現の腕を磨きながら、明治という新時代に即した日本画を模索します。そして、浮世絵の研究を重ね、自然と人物が調和する表現を追求し、大正4年に《霽れゆく村雨》で文部省美術展覧会の最高賞を受賞するまでになりました。それからも理想の女性美を追い求め、粋で艶のある優美な女性像を生涯描きつづけました。昨年、没後50年を記念し清方の大回顧展が開催され、《築地明石町》(昭和2年)を含む三幅の重要文化財への指定が発表されるなど、改めて清方の美人画が注目されています。
本特別展では、《露の干ぬ間》(大正5年)など、江戸情緒豊かな作品を中心に、「東の清方、西の松園」と並び称された京都画壇の上村松園の作品も交えて、魅力あふれる近代美人画の世界を紹介します。