鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第107号(2006年4月3日)
After the rain
どこからか生温い風。
次第に雲行きが怪しくなり…
ザァーッと一頻り。
ふいに駆け込んだ鎌倉宮拝殿 軒下。
暫し、雨止みを待つ。
鳥居の袂に
バスの到着を待つ男性がひとり。
小脇にそっと抱えた水色の傘。
とびきりの笑顔を待ち侘びて。
――と、石段の下
つつっーと巫女さんが近寄り、
「もし、よろしかったら…」
差し出された一本の傘。
翌朝 再び鎌倉宮。
社務所では、昨日の巫女さんがニッコリ。
ポチャンと優しさ ひとしずく。
小さな水輪は、
静かにゆっくり波紋を広げ、
やがて、心の奥深くへと沁みこんでゆく。