鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第241号(2007年11月4日)
Dreamy dreams
もうすぐ師走。
円覚寺へ向かう道すがら
ふと 夏目漱石 を想った。
漱石が帰源院に参禅したのは
明治27年 12月27日。
こんな夢を見た。お前は侍である。
侍なら悟れるはずはなかろうと和尚が言った。
そういつまでも悟れぬところをみると、
侍ではあるまい。人間の屑ぢゃと言った。
夏目漱石「夢十夜」より
どんな悟りも得ぬまま
漱石が山を下りたのは、翌年1月7日。
再び禅に近づくことはなかったという。
和尚の薬缶頭が見える。
鰐口を開いて嘲笑った声まで聞える。
どうしてもあの薬缶を首にしなくてはならん。
悟ってやる。無だ、無だと舌の根で念じた。
夏目漱石「夢十夜」より
12月9日は漱石忌。
夢のつづきは 夢のなか ...