鎌倉好き集まれ!山田海人さんの鎌倉リポート・第32号(2005年8月24日)

波と遊ぶナミノコガイ

ムラサキウニに大喜び

 大潮の和賀江島に行ってきました。
 玉石の転石の中にはハゼ、エビ、カニ、ヤドカリなど
 が一杯隠れていて、餌を撒いて待っていると石の下か
 ら出てきて、まるで水族館のよう。まわりの人達もウニ
 やナマコ、ヒトデなど採って子ども達に見せてくれまし 
 た。都会の子にはいい思い出となりました。
 磯遊びのあとは、寄せては返す波とたわむれ、
波遊びを楽しみました。 
 干潮から潮が上がってきて波がほどよく強くなって
きました。

海水浴客は波とたわむれていました。

上げ潮の波に乗ってナミノコガイが

 潮が満ちてくる中で、上げ潮の波に乗って
ナミノコガイが来ました。 ナミノコガイは
波乗りをする貝として知られています。
 相模湾では干満で海面が1.5mほど上がり
下がりしますが、いつも波打ち際を生活の場と
しているナミノコガイ、砂浜の移動は大変な
労力、そこで上げ潮の波に乗って3mほど移動
し、さっと砂浜へ潜り、また、次の大きな波が
くるとさっと砂浜から出て、波に乗って2~3m
移動するのです。
 このナミノコガイの行動は見ていて飽きません。
大きな波を音でとらえて、直前に一斉に砂の中から
ムクムクと現れ、波に乗って行きます。
 波乗りの最中もうまく波に乗るよう工夫している
ようです。例えば水菅を出す、舌を出す、空気を殻
の中に入れて軽くするなど。
 そして砂浜では潮が引くと舌を出してブレーキを
掛け、次の波で貝を立てて一瞬に砂の中に潜って行
きます。

和名ではフジノハナガイと呼ばれています。

フジノハナガイはきれいな貝です。

 このナミノコガイはよく見るととても綺麗な貝です。
小さな貝だからできるのでしょうがどうして”波乗り行動”
を選んだのでしょうか?
 また、この行動を観察していると波をよく理解して
”波乗り行動”しているのが判ります。

 皆さんも 鎌倉の海岸で見られるナミノコガイの
”波乗り行動”是非観察してみて下さい。