鎌倉好き集まれ!kumaさんの鎌倉リポート・第16号(2006年5月16日)

さらば、滝の湯

■長い間お疲れ様でした。

御成商店街の象徴だった瀧乃湯の解体が始まっている。
出社前に工事業者が準備を進めていたので
「とうとうか」
悲しい気持ちになったが、今日の夜に帰宅してきた時点ではかろうじて玄関あたりの面影が残っていた。あと3日もすれば跡形もなくなってるだろう。

夜目に奥をうかがってみると、おおきな大黒柱が中央に構えている。立派な柱だ。地区70年以上経ってしっかりと建物と女将さんの暮らしを支えてきた。壊されかけてなお堂々としている柱が語りかけてくる。暫くはしんみりと向き合って眺めていた。

柱と柱の間はしっかりと噛み合わさるように組まれ、当然ながらボルトや五寸釘など見えない。漆喰の壁は、粉々に砕け剥がれ落ちても当時の仕事のよさを物語っている。散り際すらも威風堂々、胸を張って自分の生き様を伝えているように思えた。

本当にお疲れ様。

さらば、滝の湯。