鎌倉好き集まれ!女将さんの鎌倉リポート・第36号(2006年9月18日)

面掛行列 御霊神社

おかめと産婆

坂の下の「御霊神社」の祭礼は、祀られている鎌倉権五郎影正の命日に当たる9月18日です。

この祭礼のメインイベントが

「面掛行列」別名「はらみっと行列」

県の無形文化財にも指定されています。
爺、鬼、異形、鼻長、烏天狗、翁、火吹男、福禄寿の面をつけた8人の後に続くは、おかめの面と天冠をつけた産婆

このご一行様は、氏子の男性が面を付けています。

ですからおかめも産婆も中身は男性
このお二人のキャラで、その年の行列の「面白さ」が決まります。

お~ 早くもおかめは産気づいた仕草
慌てて産婆が扇子であおいでいます。

行列は坂の下界隈を練り歩き、1時間ほどで「御霊神社」に戻ります。

ところで、おかめのお腹の中の子は頼朝の子

35号「佐助稲荷」でもお話ししましたが、
頼朝が隠れ里に行った折、美しい娘に一目惚れ

その結果娘は頼朝の子を身籠もってしまうのです。

頼朝は「山の神」政子に知られるのを恐れ、口封じのため父娘に高価な反物を贈ったり、隠れ里の住人に年一度の無礼講を許したそうで、その無礼講が「面掛行列」の始まりだとか・・・

また一説には、その娘の親族が力を付け、頼朝の外出時には顔を見られない様面を付け側に仕えたのが始まりとも・・・

この「隠れ里の隠し子伝説」が事実だとすれば、この一時の浮気が後々の世にまで、それもこの様な形で語り継がれるとは、頼朝も努々思わなかった事でしょうね。

9月18日はあの世の頼朝にとっては「厄日」でもあります。