鎌倉好き集まれ!いいねぇおじさんさんの鎌倉リポート・第420号(2009年3月5日)
◇ 花の香りに誘われて 大町界隈 ①
啓蟄の雲にしたがふ一日かな (加藤楸邨)
菜種梅雨の続く中、晴れ間が覗いた5日は暦上では啓蟄(けいちつ) 土中に冬眠していた虫類や
蛇などが、暖かくなって穴から出てくると云われる候ですね。
ぽかぽか陽気に誘われて大町界隈を散策してみました。
◇ 寒緋桜の莟膨らむ大巧寺…
先ずは、鎌倉駅前から直ぐの ”おんめさま” で知られる 「大巧寺(だいぎょうじ)」 を覗いてみました。
参道には種々の椿が咲いています。 寒緋桜も紅色の莟を膨らませています。
本堂前には利休梅の白い花もチラホラ咲き始めていました。
港の春という品種の椿は、濃いピンク色の花をいっぱいに付けていました。
小町大路に抜ける参道には、柔らかな陽射しを浴びて蒲公英(たんぽぽ)の花も咲いていました。
たんぽゝと小声で言ひてみて一人 (星野立子)
◇ 諸葛菜の花も咲き始めた妙本寺…
大巧寺から5分ほどの 「妙本寺」 へ寄ってみました。 総門付近や祖師堂付近の梅は、散り始め
て花数も疎らでしたが、観る角度に依っては何とか…。
宝物館脇の遅咲きの梅は7分咲き程度でしたので暫くは楽しめそうでしたね。
むらさきの風となるとき諸葛菜 (稲畑汀子)
墓地奥の山の斜面には紫色の花を付けた「諸葛菜」 が咲き始めていました。 別名 花大根
境内の日溜まりでは、ネコ君が気持ち良さそうに昼寝をしていましたよ。
◇ 椿の花飾られる常栄寺…
妙本寺から3分ほどの ”ぼたもち寺” で知られる 「常栄寺(じょうえいじ)」 のこじんまりとした境内
には、大輪の椿の花が彼方此方に活けられていました。
常栄寺から直ぐの八雲神社(やぐもじんじゃ)にお参りしてから安養院方面に向かいます。
バス通りに出る手前のお宅に咲く、素晴らしい八重咲きの薄紅梅を観ることが出来ました。
鎌倉の街中を散策していると、個人宅の庭にも枝っぷりも良く綺麗な梅を眺めさせて貰っていますが、
あんなに綺麗で品格のある梅の花は久々に観させて貰いましたねぇ。
◇ 花韮の咲く安養院…
次に躑躅で知られる 「安養院」 へ寄ってみました。 道路沿いの土手上には白い花を付けた花韮
(はなにら)が咲いています。
薄紫色の花も偶に観かけますよね。 葉を傷つけると韮の匂いがするそうです。
花韮を摘み来し指のなほ匂ふ (稲畑汀子)
つづく