鎌倉好き集まれ!十六夜さんの鎌倉リポート・第62号(2010年11月27日)

名越切通 まんだら堂やぐら群 臨時公開

世界遺産への登録をめざしている国指定史跡

「まんだら堂」の名が確認できる最も古い文献は、文禄三年(1594)の地検帳です。しかし、そこには畠の地名としてきされているのみで、「まんだら堂」がどんな建物だったのか、いつまで残っていたのかなど、詳しいことは全くわかっていません。

まんだら堂やぐら群は、一つひとつは2m四方程度と小規模で構造も単純なものが多いですが、150穴以上の存在が確認されている有数のやぐら群で、これだけまとまったやぐらを良い状態で見ることのできる遺跡は鎌倉市内にも少なく、たいへん貴重です。

やぐらの中に並ぶ五輪塔は、後の時代に動かされているものが多いので、中世の姿そのままとは言えませんが、主に火葬した骨を納めるなどして供養するために建てられたものです。葬られたのは、武士や僧侶が多かったと考えられていますが、経済力を蓄えた商工業関係者なども含まれていたかも知れません。「逗子市教育委員会 臨時公開資料」より
鎌倉駅から大町経由で三十分位でしょうか、横須賀線トンネル上まで来れます。まんだら堂手前を東に行けば法性寺から久木へ、また直進すれば逗子ハイランドから十二所果樹園その先の朝夷奈切通へ、北へ行けば衣張山へいずれもハイキングコースです。