鎌倉好き集まれ!十六夜さんの鎌倉リポート・第79号(2011年4月18日)

鎌倉三大カイドウとも呼ばれていたが、

妙本寺 祖師堂前 現在三代目

比企氏滅亡の歴史をとどめる妙本寺は、春には海棠の花の名所として知られています。

「小林秀雄全集 第二巻」「中原中也の思ひ出」の中で妙本寺の海棠の事が書かれています。

鎌倉比企ヶ谷妙本寺境内に、海棠の名木があった。こちらに来て、その花盛りを見て以来、私は毎年のお花見をかかした事がなかったが、先年枯死した。枯れたと聞いても、無残な切り株を見に行くまで、何だか信じられなかった。それほど前の年の満開は例年になく見事なものであった。中原と一緒に、花を眺めた時の情景が、鮮やかに思いだされた。今年も切り株を見に行った。若木の海棠は満開であった。

安国論寺のカイドウ

上部の一枝に花をつけている

光則寺本堂前

「カイドウの寺」としても有名な光則寺は境内に複数のカイドウが植えられている。本堂前の木は樹齢二百年余り、市の天然記念物、神奈川県の名木百選にも選ばれている。

妙本寺には昭和十二年(1937)詩人中原中也と共に見上げたと、評論家小林秀雄が「中原中也の思ひ出」に描いたカイドウがあった。


安国論寺の木とともに、かってこれらは鎌倉三大カイドウとも呼ばれていたが、安国論寺のカイドウは古木になり現在治療中でわずかに花をつけていた。