鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第102号(2006年3月11日)
The light sleepers
向こうで人の気配がする。
おーい、おーいと叫んでみるが
いっこうに返事がない。
確かに、誰かの息遣いを感じたが。
気のせいか。
ややや、幻聴? もしくは夢?
「どうする?どうする?」
「もうそろそろ起きないとナァ~(また母さんに叱られるヨ)」
土曜日の昼下がり。
あたたかい土の布団の中から
モゾモゾと顔を出した福寿草の父子。
照れくさそうに、小さな欠伸を一つ。
「こうしてね、
挿頭(かざし)にさすと、恋人に逢えるんだって」
「ホント???」
「遣唐使って習ったかい?」
中国から
はるばる海を渡ってやってきた長い道のりを思う。
春の海 終日のたり のたりかな(与謝蕪村)
あれほど寝たのに まだ眠いナァ―――
春眠暁を覚えず。