鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第38号(2005年2月15日)

When the east wind blows…

唐門



東光山英勝寺。現存する鎌倉唯一の尼寺。
江戸時代初期(1color:#663366;)に創建以来、
一度も火災に遭うことはなく、往時の面影を今に残す。

祀堂へ続く石段を登りつつ、
・・・気配を感じ振り返る。 と、そこには・・・。

牡丹の花があしらわれた透かし彫りの唐門に、
古木の梅がちらほらと。
   
   
裳階(もこし)と呼ばれる二重屋根に
曲線美の花頭窓(かとうまど)。

十二支を刻む蟇股をめぐらせた仏殿には、
徳川家光寄進による運慶作の阿弥陀如来像を安置する。

まるで、江戸歴史博物庭園。
白く澄んだ空の下、
いにしえの禅宗建築技術が一挙勢揃い。

御本尊

冬日

   
   
書院(茶室)へ続く小路を歩く。
やわらかな日差しを受けた冬枯れの木立。
白い石畳にうっすらと影模様をつくる。

すると、通用門口で住職の声がする。
「ホレ、しおりの上に乗っていちゃぁ駄目でしょう!」

振り向くと、
受付の板台から、ソロリと立ち上がるグレーの子犬。
去り行く背中が、いかにも申し訳なさそうに。
   
   
竹林の中。

この場所に佇んでいると、
裏山の幽静も手伝って、
何となしに《悟り》の心境に。
 
  道に迷って、道を知る

色紙のさりげない筆文字が、ふと心に染み入る。

石仏

飛梅

  
   
辺り一面、
甘く漂う梅の香りに、
ほんのり包まれていたら、
星野立子さんの句が浮かんできた。

  梅白しまことに白く新しく