鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第75号(2005年9月27日)
HA-NA-NO
彼岸過ぎの浄智寺は
まさに《 花野 》の趣。
見渡す限りに
淡く優しい色合い。
どこまでも甘く
どこまでも切なく
いつか溶けて
消えてなくなりそうな花びら。
「ね、いい香りでしょう?」
井戸端に
白い前掛け姿のおばあさん。
仏花の入った水桶を手に提げながら。
ほんのり色付き始めた紫色の実に
いよいよ秋の深まりを知る。
野分立ち
そして、雨上がる。
受付前の門戸に手をかけると
「足元の泥濘に気をつけて…」
苔の石段を下りながら
心がほっこり 笑顔になった。