鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第79号(2005年10月26日)

The crystals in autumn

   
   
   秋風の明王院境内。
      
   本堂の縁に腰掛けて、
   誰をとなしに人影を待つ。
     
   いくら待っても
   いつまでたっても
   何の気配も無い。
    
   ただ、
   枯れ葉 舞い散る音のみ かすかに。
   
   
   
   見上げれば、
   どっしりとふくよかに柿の実ふたつ。
   互いにその身(実)を委ねるが如く。
   
   
   兄弟かな
   夫婦かな
   親子かな
   
   まさかネ、そんなことは…ナイカモネ。

   
   
   神無月。
   
   でも、
   ちょっぴり、、
   
   出雲の国へ
   旅立ちを躊躇った神さまが、
   茅葺屋根のてっぺんに
   ひょっこり座って居られるような――
 
   そんな気がした。