鎌倉好き集まれ!山田海人さんの鎌倉リポート・第61号(2005年11月14日)

陶片の絵柄

 鎌倉の海の底であたためられていた陶片

 風のいたずらで、眠っていた海底から

 起こされて、浜辺に戻ってきた。
 刻を超えて タイムトンネルのように

 突然と二十一世紀の世界へ
 鎌倉の海底ではぐくまれていた陶片は

 石や岩礁にぶつかることもなく、キズつかずに

 浜辺に戻ってきた。

 昨日まで使われていたような陶器のかけら

 扱っていた人を想い浮かべて

 やがては人もどこかへ行って

 かけらだけがここにある。

 いろいろな情報を残して。
 陶器の底には屋号も書かれて

 しかし、今は誰もいない

 ヒトはどこから来て

      どこへ行くのか?