鎌倉好き集まれ!KIさんの鎌倉リポート・第20号(2006年10月3日)

ヒガンバナの鎌倉散策

9月も末になるとヒガンバナが鎌倉の地面を鮮やかに飾ってくれますね。今年,鎌倉ではその名に相応しく,数年ぶりにちょうど彼岸の時期に見ごろを迎えたそうです。

今回は鎌倉の寺院を飾るヒガンバナの光景を訪ね歩きました。

鎌倉駅周辺では,英勝寺,鶴岡八幡宮,宝戒寺がヒガンバナの名所だと聞きました。

3箇所訪ね歩いたところ,英勝寺が最も花の数も多いようでした。6月にはここはアジサイの名所だったのですが,今は真っ赤なヒガンバナが境内一面を飾っています。お寺の建造物と赤い花のコラボレーションが古都の風情を醸し出していました。





白壁をバックに午後の日差しに映えるヒガンバナ(英勝寺)

午後の英勝寺は,見事なヒガンバナを一目見ようと観客が足繁く訪れていました。

太陽が少しずつ西に傾き,日射しの加減で刻一刻と花の色合いが変化していきます。

本堂のイスに佇んで一面のヒガンバナをじっと眺めていると,塀のすぐ外を電車が通り過ぎていきます。

「お寺のヒガンバナと電車」もまた,現代の鎌倉ならではの風物なのでしょうね。

本堂のベンチにくつろいで,一面のヒガンバナを眺ます。

赤いヒガンバナに混じって,白いヒガンバナもあります。

白い花は交雑種とのことで,数的にも赤に比べると少ないそうです。
ここ英勝寺でも,豪華絢爛なアカバナーの中,ひっそりと咲くシロバナといった感じ。

ここ鎌倉の歴史を紐解けば,少数のシロバナと多数のアカバナは,幕府創建を果たすもわずか3代で滅びた源氏とその後の大部分の時期16代にわたって鎌倉幕府を支配し続けた平氏系の北条氏を象徴しているようにも思えてしまいます。

実のところ,源氏将軍の時代も北条執権の時代も,有能な者が源平の出自に関わらず協力し合って武家政権の運営に参画していたというこの鎌倉では,白と赤の対比は似つかわしいのかもしれないですね。

梅(紅梅&白梅)も桜(ソメイヨシノ&カンヒザクラ)も紅白セットなのだし・・・

ひっそりと咲く白いヒガンバナ

昼下がりの鶴岡八幡宮の東門にて

日がだいぶ西に傾いてきたころ,英勝寺を後にして鶴岡八幡宮へ向かいました。
東門の土手はもうひとつのヒガンバナの名所なのです。

鳥居のすぐそばに咲く花は黒いヒガンバナ(!?)じゃなくて,西日を受けてシルエットになったヒガンバナです。

夜のヒガンバナ

だいぶ日が暮れてあたりが暗くなってきました。

日没直前直後に,なぜかひとしきり強い風が吹きますね。

夜桜があるのだから,夜ヒガンがあってもいいんじゃないかとばかりに,夜風にユラユラと揺れるヒガンバナを今回初めて写真にしてみました。

う~ん,どうかな~・・・




以上,ヒガンバナの季節を迎えた古都鎌倉を散策してみました。
少し前までは晴天もあって「初秋」というよりは「晩夏」といったほうが相応しいような気候の湘南鎌倉でしたけど,このヒガンバナが咲く頃を境に鎌倉もいよいよ本格的な秋へとシフトしていくんですね。