鎌倉好き集まれ!KIさんの鎌倉リポート・第5号(2006年5月19日)

大船~もうひとつの鎌倉

大船観音。線香をあげる人がちらほら

ある春の晴れた日,湘南新宿ライン。
いつもは鎌倉か北鎌倉で下車するところ,その手前の大船駅で降りました。

そう,ここも鎌倉市内なのです。大船については「鎌倉好き集まれ」のコーナーでもhiroさんをはじめ何人かの方が既にレポートで取り上げておられます。

今回,自分ももうひとつの鎌倉,大船。春の散策をレポートしたいと思います。

 まずは大船観音。そう,大船駅を出た(あるいは鎌倉方面から大船駅に来る)電車の窓からいつも見える御尊顔。JR大船駅の西口を出て約5分ほどです。坂道を少し登ると入口の門があり,巨大な観音様は境内の階段を上った小高い丘の上に。
 1960年に完成したのですが,戦争がなければ1945年までには完成しただろうと言われています。昭和初期から工事が始まったのですが,太平洋戦争のために工事が中断させられていたのです。
 高さ25メートル以上の立派な観音様には,戦後の混乱期に工事の再開に尽力した有志の人たちの思いが詰まっているんでしょうね。 
次は大船駅東口からバスに乗って称名寺(通称 今泉不動)へ。
 江ノ島電鉄バス「かまくら湖畔循環線」に乗ること約20分、今泉不動のバス停で下車します。
 入口の六地蔵,境内の勢至丸(親鸞の子供時代)銅像を経て階段を上がったところに
不動堂の建物。その裏手に三十六童子と大日如来石像があります。

 自分が訪れたときはたくさんの椿が咲き落ちていました。
 

称名寺にある三十六童子像

見ザル,言わザル,聞かザル

不動堂前には「見ザル,言わザル,聞かザル」。
 自分は日光東照宮あるいは日光・奥日光の観光土産などでよく知っています。なので,「なんでここに?」と少し思ってしまいました。

 この称名寺は弘法大師(9世紀はじめ活躍)が不動明王を奉ったのが始まりで,その後,浄土宗の寺院として再建されたのだそうです。
 ちなみに鎌倉幕府の頃には歴代将軍や北条氏の崇敬があつかったのだそうですね。

夕暮れの白山神社にて

さて,日が西に傾き始めた頃,称名寺を後にし,少し鎌倉湖畔に足を伸ばした後,大船駅方向へ。バス停ひとつ分歩くと,白山神社の入口に到着しました。
 鳥居のそばでは兄妹なのでしょうか(それともご近所さん?),キャッチボールを楽しんでいました。どこにでもある夕暮れ時のひと時,こればかりは昔も今も変わらないのですね。
 鳥居から参道を10メートルほど進んだところに石塔や庚申塚があり,さらに続く参道の階段を上ると大きなしめ縄と本殿があります。
 祭神は菊理姫之命(キクリヒメノミコト,黄泉の国の神様だそうです)。源頼朝の創建と伝えられているそうです。ちなみに巨大なしめ縄は大ムカデの象徴(^^;)
 誰もいない境内,次第に暗くなるので再び階段を降りてバス停のある道路へと戻ります。
バスに乗り,大船駅に着いたときにはすっかり暗くなっていました。
 観音様が,夜の大船の街と行き交う列車を見守るように佇んでいる風景を目にすると,やはり観音様は大船の街のシンボルなんだと納得してしまいます。

 鎌倉駅まで電車の乗り継ぎ,小町通りにあるお気に入りの店で夕食をとったあと,鶴岡八幡宮に参拝してから,東京へと帰途に着きました。

 

再び大船観音