鎌倉好き集まれ!KIさんの鎌倉リポート・第8号(2006年6月17日)

古都の宵,ホタルを鑑賞(大町編)

梅雨入りも間近となった6月初旬のある日,鎌倉でホタルを観ました。

自分が見に行ったのは大町の逆川。この小川は水質も良く毎年この頃,ゲンジボタルの成虫が現れます。

                       ※1

日没まもなく,ホタルが飛び交いました

あたりが薄暗くなる夜7時すぎに現場に着いたときには,すでに沢山のホタルが・・・

小川を挟んだ小さな空き地に,2,30匹ほどのゲンジボタルがスペースいっぱいいっぱいに乱舞していました。
 蚊に刺されるのも忘れて(でも結構やられたなー),写真を撮り続けました。

 空中には,ゆっくりと薄緑色の光を点滅させながら飛び交うホタル。時折,滑らかな曲線を描くように優雅に目の前を通り過ぎていきます。
 下を見渡せば小川の葉の上では,飛び交うホタルを呼応するように一層強い光を点滅させる引き立て役
見上げれば空高く舞い上がりおぼろ月と競演するチャレンジャー
・・・文字通り「空の星が落ちてきた」ような大変幻想的な競演でした。
8時を過ぎる頃になると,ホタル達の動きは一層活発になってきました。

また,夕食を終えた近所の人々が見物に訪れ,感嘆の声をあげる子供達の数も増え,次第に賑わってきました。
 物怖じすることなく見物する人々のすぐそばに寄ってきます。自分も写真を撮りながら手をかざすと簡単に指先に止まってくれました。

ふわりふわりと幻想的な光の乱舞に加え,すぐそばに寄ってくる人懐っこさも手伝って,古代からホタルは日本人に愛され続けてきたんでしょうね。

次々と見物に訪れる人を囲むようにホタルが飛びます

この大町の逆川では地元のNPOの方々が環境保全に取り組んでいるのだそうです。
 この地域には昔から沢山のホタルが今よりもっと広範囲にいたそうなのですが,やはり近年の例に漏れず環境開発の影響を受けて生息範囲が縮小し,ゲンジボタルは絶滅の危機にさらされかねないとのこと。
 カワニナの放流や小川の清掃を行うなど,ホタルの成育できる環境を維持に尽力しておられるそうです。

 ホタルが生息できる環境が損なわれれば生態系のバランスも崩れ,やがてはめぐりめぐって人間にも・・・(怖;)
 やはりホタルと共存する古都鎌倉であってほしいと感じました。
夜9時を過ぎるとホタル達の動きも次第に鈍くなり,光の競演も収束へと向かいます。

ホタルの小川を後にし,余韻覚めやらぬ名越十字路への帰途,安国論寺の前に差し掛かったところで,今度は自分自身がホタルの真似をひとつ。
 安国論寺の石階段を行き来する人間ボタルが一匹(じゃなくて一人)
 これってどうですか?
 ・・・やっぱり本物のホタルのほうがずっと上等やっさぁ~

ともあれ,ゲンジボタルの舞いに酔いしれた,鎌倉大町の風流な夜でした。




(追伸)
※1 一番最初の写真ですが,昼間に常楽寺(大船)で見つけたホタル。大きさは1センチ足らずといったところ。最初はゲンジボタルかと思ったんですが色や形も大きさもどうも食い違うようで。
 調べたところ,どうやらムネクリイロボタルという種類のようです。このホタルは昼行性だそうで,夜間には弱いながらも発光するそうです。意外なホタルに出くわしたものです。

最後は人間ボタル(^^;) ~このままホタルになって東京へ飛んで帰れば電車賃890円もタダなんでしょうけど(笑)