鎌倉好き集まれ!女将さんの鎌倉リポート・第34号(2006年9月8日)

「鎌倉ものがたり」を歩く ☆銭洗弁天☆

JR鎌倉駅西口を出て真っ直ぐに進み、トンネルをくぐると右側に法務局があります。
ここを右折
狭い川沿いの道を更に進むと左側に「くずきり みのわ」の文字が・・・

「帰りにねっ♪」と自分に言い聞かせ、更に更に道を進みます。

今度は急な上り坂
そして辺りは昼間だというのにうっそうと暗く、嫌でも足が速まります。

左側の苔むした崖に大きな穴がポッカリと・・・

ここが「銭洗弁財天」の入り口です。
正式名称は「宇賀福神社」


「銭洗弁天」の名前の方が有名ですね。

洞窟内の弁財天にお詣りをして、霊水でお金を洗うと「お金が増える」そうです。

今日も皆さん熱心にザルに入れたお金に霊水を掛けていますが・・・

「鎌倉ものがたり」 第2巻 第13話 「鬼婆」に「銭洗弁天」が出てきます。

一色先生の隣に住むお婆さんは「お金だけが生き甲斐」という高利貸し
ある日ぽっくりとあの世に逝ってしまうのですが、ひょうんな事から鬼となって生き返り暴れまくります。

その鬼婆退治に使われたのがこの銭洗弁天の霊水でした。

一色先生は
「銭洗いとは お金の妄執を洗い流すと言う所に本当の意味があるんだ」
「同じ水がある時は人の欲望をかき立て、ある時は洗い清める・・・それもまたこの霊水の不思議な力なのかもしれない」とも言っています。


*西岸良平のミステリーコミック「鎌倉ものがたり」は、長谷に住む推理作家一色正和と若き妻亜紀子が織りなすミステリーとロマンの物語


では、何故「銭洗弁天」でお金を洗う様になったのでしょうか?

1185年巳の月巳の日巳の刻に宇賀福神が頼朝の夢枕に立ち
「隠れ里の岩屋に沸く水を用いて神仏を敬えば、鎌倉の民心は穏やかになり、富み栄える」との教えがこの社の縁起だそうです。

5代執権の北条時頼もこの水で銭を洗い、子孫繁栄を祈る様民衆に勧めたそうで、その信仰が今の世にも受け継がれているんですね。

ふと洞窟の壁を見ると「洗ったお金は有効に使いましょう」と張り紙が・・・

金は天下の廻り物・・・仕舞っておいては意味が無いですものね

そう言えば、鎌倉駅JRの券売機に「濡れた紙幣は入れないで下さい」との張り紙を見かけた事があります。今も貼ってあるのでしょうか・・・?