鎌倉好き集まれ!ロビン・レインボーさんの鎌倉リポート・第44号(2010年11月14日)

鎌倉文学館で秋のバラと「川端康成と三島由紀夫」を

 アメリカのオバマ大統領が長谷の大仏を見物に訪れるので、由比ヶ浜大通り周辺も物々しい警戒をしています。5月に見学したときにもらったチケットを利用して、家内と鎌倉文学館を訪問します。石造のトンネルを潜ると、そこは別世界のようです。11月中旬になって、秋のバラが鑑賞できるとは思っていませんでした。「鎌倉」、「ブルーリバー」、「プリンセス・アイコ」など多くのバラが咲き誇っています。

 特別展の「川端康成と三島由紀夫」も印象深い展示会でした。日本を代表する二人の作家は、経歴も文体も作風も全く異なっていますが、お互いに敬愛し合い、日本の伝統的な美学や価値観を小説で追求し続けたという点では共通するように思えます。手紙や原稿の肉筆を観察すると、精神の筋が通った文字の形態に、川端と三島の作家魂を感じ取ることができます。勿論、二人の偉大な作家のことを一言二言で言い切ることはできません。