鎌倉好き集まれ!つなさんの鎌倉リポート・第16号(2008年3月5日)

久能啓二『偽りの風景』

地元の方がワカメを干してました

今回は、久能啓二『偽りの風景』です。
前回に続いて舞台は由比ヶ浜となりました。

印刷会社に勤める佐倉吾郎は、洋画界の重鎮といわれる
久保崎栄太の絵から、彼の門下生で半年前に変死した
伊吹卓也の技法を見出します。
そこで同じ門下生だった佐倉は、改めて伊吹の作風を
確かめようとしますが、久保崎が彼の絵を
買い占めている事実を知ります。
伊吹が死ぬ間際まで通っていた由比ヶ浜のアトリエで
いったい何があったのか。

そんな謎を追う作品となっています。
この作品の作者、久能啓二も実は鎌倉ゆかりの作家で、
鎌倉国宝館の学芸員もされていた方です。
他にも『手は汚れない』『死者の旅路』という
鎌倉を舞台にした作品があります。
昭和30年代の作家なのでなかなか本が手に入りませんが
鎌倉の古い地名なども出てきたりしますので、
興味のある方は是非探してみてください。

作品中に久保崎栄太が「晩冬の海」という絵を描きます。
由比ヶ浜の海岸を題材にしたようですが、
当時の海もこんな感じだったでしょうか。
でも「晩冬」といったら、1~2ヶ月ほど前の頃ですね。

もうちょっと荒々しい方が絵になると思いますが・・・

さすがに花の寺です

折角こちらの方へ来たので
花の寺・光則寺にも寄ってみました。

境内では梅や蝋梅が7部咲きくらいかなと
いう感じで、花をつけていました。
門前あたりは、それよりちょっと少なめでしょうか。
境内にいる孔雀も元気に啼いていました。
こちらの門前にも、絵描きさんたちが
たくさんいらっしゃいました。
梅の花を描いているのでしょうか。


しかし、門前の梅より
皆さんがいらっしゃる場所の真上の方が
より花が咲いているように見えますけど。

題材は梅の花だけではないでしょうけど