鎌倉好き集まれ!春風裕さんの鎌倉リポート・第36号(2009年10月4日)

竹林の報国寺

功臣山報国寺

山門

お庭

仏殿

鐘楼

 旧華頂宮邸を見た後、功臣山(こうしんざん)報国寺を訪れました。竹林が有名なお寺なので、一度立ち寄りたいと思っていたお寺でした。鎌倉駅からですと、金沢八景方面行きのバスで浄明寺バス停(お寺の名前は浄妙寺なのにバス停は浄明寺、地名も浄明寺なのです)で降り、鎌倉方面へ約50メートルほど戻って、華の橋を渡りさらに100メートルほど行ったところにあります。今回は一度そこを通り過ぎて、旧華頂宮邸へ先に立ち寄り、帰りに報国寺を訪ねました。

 報国寺は、1334年に足利尊氏の祖父家時が開いたという説と、宅間上杉氏の祖と言われる重兼が建てたという説のふたつの説があるようです。足利氏と上杉氏の菩提寺として栄えた、広大な境内を持つ大きなお寺だったようです。

報国寺竹の庭

 鐘楼の奥に受け付けがあり、その左脇から奥へ入ると、竹の庭があります。境内は無料で入れますが、竹の庭は拝観料200円です。竹の庭奥に茶席があり、お茶とお菓子で500円です。

 竹林に一歩足を踏み入れた時、空気がガラッと変わったのを感じました。この日は観光客も多く、静かでもなかったのですが、何故かキリッとした空気と自分を中心とした静寂な空気を感じました。僕の場合、竹林はやはり見上げるのが好きです。竹の葉っぱの優しい緑色が大好きですし、明るい空に向かって、透かして見ると、更に綺麗な緑になるような気がします。
 竹林の奥の方には、ちょっとした空間があり、苔と植物が付いた石灯籠がありました。葉っぱが付いているのが、何とも面白く、良い感じです。更に奥の崖には、やぐらがいくつかありますが、足利一族のお墓かも知れません。鎌倉のあちこちで見かける光景です。
 竹の庭の順路を歩くと、最後に仏殿裏の庭に出ます。報国寺の印象ですが、庭の手入れが非常に行き届いているように感じました。一般的に禅寺は手入れが行き届いている気がします。軒先に吊されたものには、足利氏の家紋が見えます。このお寺は、足利氏ゆかりのお寺なのです。

報国寺を出て

上杉朝宗及氏憲邸址

田楽辻子のみち

 報国寺を出て、山門前の西側の小路を行くと、田楽辻子のみちに出ます。稲の豊作を祈って行う田遊びから発達した芸能を田楽と言ったようですが、社寺の祭礼行事となり、ここあたりに田楽法師の家があったので、こういう名前が付いたようです。金沢街道は、車通りも多く、歩道が狭いので歩きにくい道ですが、この道は車もあまり通らず静かな道なので、歩くならこちらの方を選んだ方が良いでしょう。

 この日は、この道を鎌倉方面まで歩き、鶴岡八幡宮に近いところで金沢街道を渡り、今度は反対側の道を鶴岡八幡宮まで歩いて行きました。鎌倉の道は車が多く、空気も悪いのですが、こういう一本外れた小路を歩くのが、良いのです。