鎌倉好き集まれ!いいねぇおじさんさんの鎌倉リポート・第1050号(2012年11月18日)
◇ 第21回 逗子海岸 流鏑馬 (やぶさめ)
前号からの続きです。 諸役一同が各部署に就き、馬場内の安全確認後、13:30頃から
「素駆(すばせ)」(矢は射らない) が行われました。
素馳が終わると、いよいよ 「奉射(ほうしゃ)」 が行われます。 馬場内には三か所の的が
立たてられて、 射手は疾走する馬上から腰の鏑矢 (かぶらや) を抜いて弓に番えて的を
狙って駆け抜けます。
鎌倉幕府の行事記録である吾妻鏡によれば、正治2年 (1199) 9月2日源氏二代将軍
頼家が小壺の海辺で弓馬の達人を集めて?笠懸?を射させたという記録があります。
当時の小壺には、逗子も含まれており地形的に考えても現在の逗子海岸で ?笠懸?が
行われたことがうかがえます。
?笠懸?は?流鏑馬?と共に疾走する馬上から弓を射るという騎射の一種、これは関東
武士のお家芸であり、当時最高の武技でもあったのです。 そのため、尚武の気風に
富む源頼家が好んでしばしば行ったことが記録に残されております。
(逗子と流鏑馬の栞より)
海を背景に行なわれる流鏑馬は、逗子海岸と材木座海岸くらいでしょうか。
開放感があって、鶴岡八幡宮とはまた違った趣がありますが、写真を撮るとなると、逆光に
なるので (撮る場所にもよるが) ちょっと難しいようです。
後半は場所を変えて撮ってみました。
奉射が終わると、成績上位者で 「競射(きょうしゃ)」 が行われます。
径三寸の素焼きの土器を二枚合わせたもので、命中して割れると、中の五色の紙が
花吹雪の様に舞う趣向になっていますが、的が小さい分難易度が高くなります。
上位者には女性の射手もおられました。
競射が終わると馬場上に勢揃いし「凱陣の式(がいじんのしき)」が行われます。
今年の流鏑馬も終り、来年4月に行なわれる鶴岡八幡宮での流鏑馬が楽しみですね。
帰りがけ、北鎌倉の円覚寺を覗いてみました。 総門前ではモミジの紅葉が進んで
いるようでした。 鎌倉の紅葉の見頃は11月下旬辺りからでしょうか。
おしまい