鎌倉好き集まれ!いいねぇおじさんさんの鎌倉リポート・第208号(2008年1月13日)
花の香りに誘われて 「光則寺」
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【参道にて・水仙の花】
前日の天気予報では 「初雪」 も…に、万全の防寒身
支度をして、いざ鎌倉へ。 が…
着ぶくれの おろかなる影 曳くを恥ず
(久保田万太郎)
前後しましたが、虚空堂 「護摩焚き供養」 まで間が
あったので、久し振りに「光則寺」を訪ねました。
※ 以下の写真は1月13日に撮影したものです。
山門付近に近づくと、幽かに甘い香りが漂って来ます。
「素芯蝋梅」の花が見頃を迎えていました。
臘梅の 香りの一歩づつ ありそめし
(稲畑汀子)
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【山門前の素芯蝋梅】
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【境内にて・万両の実】
山門を潜った右手に、真っ赤な実をたわわににつけた
「万両」が目を惹きます。
万両に かゝる落葉の 払はるゝ
(高浜年尾)
境内には「素芯蝋梅」や「唐蝋梅」の木が数本あり、
芳香を放っています。
臘梅の つばらに空の 凍てにけり
(石原舟月)
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【境内にて・素芯蝋梅】
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【境内にて・侘助椿】
境内には多種の侘助椿の花が咲いています。
白侘助・紅侘助・初雁侘助・姫侘助…など。
茶花として活けられ、寒い季節に映える可憐で奥ゆ
かしい花ですね。 「侘助」 の名は、千利休の時代の
茶人に因んで付けられたそうです。
客殿前には早咲きの 「寒紅梅」 が咲いていました。
境内の梅の花は三月頃に咲き始めるものなど、花期に
バラつきがあるが、「この紅梅が一番早く咲くんですょ」
と、お寺さんの方のお話でした。
早梅に 一人立ち見る 静心 (星野立子)
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【早咲きの寒紅梅】
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「寒紅梅」
君ならで誰にか見せむ梅の花
色をも香りをも知る人ぞ知る (紀 友則)
梅の花、水仙、椿…などの花々に、ふわりと雪が積も
った姿も風情があっていいかなと期待していましたが
「残念!」 せめて一時チラチラと舞うだけでもと、
淡雪の如き期待を胸に、つぎへと向かう”おじさん”
ではありました。