鎌倉好き集まれ!いいねぇおじさんさんの鎌倉リポート・第270号(2008年4月29日)
◆ 花の香りに誘われて 北鎌倉 浄智寺
◆ 行春に咲く花々
前号からの続きです。
東慶寺山門下の喫茶吉野で一休みした後、「浄智寺」を訪ねました。
行楽日和と言うこともあってか、浄智寺境内には入らずに横の道から源氏山ハイキングコースに行かれる方が多いようでした。
人影も疎らな境内には、行く春を惜しむかのように花々が精一杯に咲いていました。
きのふ暮れけふ叉くれてゆく春や (蕪村)
※ 以下の写真は4月29日撮影したものです。
「鐘楼門」前左手には「著莪」の花が咲き、右手の日当たりのいい花壇には「諸葛菜」「桜草」が群れ咲いていました。
庫裡の横には見事な「大手毬」が咲いています。 花をよく見ると、白色ではなくて少し薄緑ががっていますね。
段々と白色になって行くようです。 よく紫陽花と間違えている方がいますが、紫陽花は花弁(顎)が4枚で、大手毬は5枚ありますね。花も紫陽花より少し小振りです。
むらがりて真白き花の珠と咲く 大手毬花子が毬にもがな (宇都野研)
今の時季竹林を見ると古い竹の葉が黄ばんでいますよね。
「竹の秋」と言うそうです。 竹の春と言うと秋の季語だそうですょ。
この道やいつも人無く竹の秋 (星野立子)
咲きそめて藤の花房整わず (高浜年尾)
「曇華殿」傍に「紫雲英(げんげ)」の花が咲いていました。 別名 「蓮華草」
幼馴染の”みっちゃん”と田んぼの畦道で、日が暮れるまで「げんげ」の花を摘んでは花輪を造って遊んだ子供の頃が懐かしく思い出されました。
”初恋”?のひとでしたがねぇ。
手にとるなやはり野におけ蓮華草 (瓢水)
浄智寺境内を一巡りして、最後はお定まりの「布袋尊」のお腹を擦って元気を頂いてきます。
お腹も大分黒光りして来ましたねぇ。
蒲公英(たんぽぽ)の花が終わると「冠毛」となり、絮(わた)がほどけて風に乗って飛んで行きます。
”行く春”季節の移ろいを感じますねぇ。
たんぽゝの絮欠けて行く風ありて (高浜年尾)