鎌倉好き集まれ!一止散人さんの鎌倉リポート・第16号(2003年9月17日)

少し早い実りの秋 ~鎌倉の農村風景~

おっ、これは珍しい!

 若宮大路沿いに午前中、まだ早い時間に買い物客で賑わうのが「鎌倉市農協連直売所」。地元の農家の方々が育てた、朝採れ野菜が並びます。

 久々にぶらっと寄ったら珍しい「空心菜」を発見!たまぁにスーパーでも見かけますが、まだ少ないと思います。これ、中華調味料の「腐乳」(フールー)と炒めると美味いんですよね!シャキシャキした歯ごたえがなんとも言えないです。

 是非写真を撮らせて、とお店の奥さんにお願いしたら「お恥ずかしい、、。」と笑っていました。いえいえ、とんでもない、期待通りの美味さ。あっという間にお腹の中へ、、。鎌倉の畑の恵みにまたまた感謝!
 作った方から直接話が聞ける対面販売もうれしいです。その時の旬とか、食べ方とか色々教えてくれるんですよね。バジルやルッコラなどのハーブ類もあってなかなか魅力的。多少の虫食いは、無農薬、低農薬の証拠ですね。

鎌倉野菜の故郷。

 で、それらの野菜が主に作られているのが、ここ関谷。島の神バス停からフラワーセンターの苗木園を横目に坂を登ると、その先は見渡す限りの畑。まるで三浦のような田園風景。全体が台地になっているので、地平線を体感できます。丹沢連峰まで見渡せる、この開放感がたまりません!
 変わってこちらは笛田。深沢交差点から南下する道の脇に、田んぼが広がっています。今夏は冷夏でしたが、ここの稲はちゃんと実が入っている様子。もうすぐ刈り取り間近の稲田は黄色く輝いて、ようやく涼しさを帯びた風に揺れていました。
 この細長い田んぼを見ていると、笛のような形をした田が広がっていたからという地名の語源も(他にも諸説あり)、納得できるような気がします。

日本の秋。

 田んぼの向こうの茅葺屋根の家。相当な旧家なのでしょうね。名残のヒマワリの奥に見える姿に、日本の原風景を思いました。

立派!

静けさ、、。

 極楽寺、月影地蔵そばの畑。サトイモの葉が元気よく伸びて、力に満ちていました。赤とんぼが飛んで、何も音のしない世界、、。時を忘れるような空間です。
 鎌倉には、こんな谷戸沿いの畑があちこちにあります。それを手がかりにして想像すれば、昔の農村風景も見えてくるような気がします。