鎌倉好き集まれ!一止散人さんの鎌倉リポート・第25号(2005年6月17日)

鎌倉五彩 初夏篇

青蔦

 電車から降り立ち、程なく訪れる静寂は、極楽寺駅。

 一歩改札を出れば、賑々しいアジサイが出迎えてくれるこの時期、暫しホームのベンチで小休止。

 崖を覆いつくす蔦は精力の塊。滴るような色を目に焼き付けて、緑の気を胸一杯に取り込もう。

  
  
   《 青蔦に 颯と横切る 青電車 》






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 大巧寺にて。

 はち切れんばかりとは、こんな様子か、。

 小さな木だが、力をたっぷり蓄えた実が枝を覆い尽くす。味も香りも、推して知るべし。出来ることなら、味見してみたかったけど、、(^^)ゞ


  
   《 つややかに つんでほしげな ゆすらうめ 》




                                  
 



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ユスラウメ

ビヨウヤナギ

 大巧寺の入口で、左側のキンシバイと妍を争うこの花。

 キンシバイの可愛らしさに、ある種のなまめかしさで対抗している。


 
 《 艶なるは 未央柳の 蕊の先 》





    







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 成就院境内。睡蓮鉢に浮く、花一輪。下をメダカがスッとかすめて、花弁が揺れた。

 10cm四方に凝縮された、荘厳な自然の営み。


 《 夏椿 落ちて煌く 白さかな 》





                             




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ナツツバキ

成就院参道

 また見にきてしまった、この風景。

 海を盛るアジサイは、鎌倉らしいワンシーン。重なるのは、霞んだ山の青と、空の青、。ふと、花びらの色は、坂を渡る海風が染め上げているのではないか、と錯覚する。

 《 かまくらや 四葩は海の 青含み 》