鎌倉好き集まれ!十六夜さんの鎌倉リポート・第34号(2010年7月6日)

御谷騒動

古都保存法発祥の地

明治二十二年(1885)に横須賀線は横須賀軍港と首都東京を結ぶ国防上の必要から開通した。昭和に入り、横須賀線で東京に通勤、通学する人も増えてきた。一時間圏内の文化都市とあって人気を呼び、宅地開発が盛んに行なわれた。

宅地化の影響は貴重な旧跡にも及ぶようになり、昭和三十年代後半には鶴岡八幡宮の裏山、かって八幡宮寺の子院があった御谷を宅地開発する企てが持ち上がった。それに対し作家大佛次郎ら文化人も加わった市民による開発反対、旧跡、緑地の保全運動が起きた。

こうして日本初のナショナルトラスト運動として鎌倉風致保存会が誕生し、土地を買収することによって緑が守られた。この運動をきっかけに、昭和四十一年(1966)議員立法の「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」(古都保存法)が国会を通った。「鎌倉検定公式テキストブック」 より

財団法人鎌倉風致保存会

旧安保小児科医院

いざ鎌倉 御谷騒動回想記

この建物は大正十三年頃、医師の安保隆彦氏により建てられ、平成七年まで医院として使用されていました。現在「景観重要建築物」指定第十六号で、財団法人鎌倉風致保存会の活動拠点となっている。

先月、これまでの「歴史見学会」を改め、鎌倉の歴史とともに緑も楽しみながら散策する「古都鎌倉の緑と歴史の探訪」を行なうという葉書が届いた。 第一回は日本のナショナル・トラスト発祥の地として財団法人鎌倉風致保存会の原点ともいえる「御谷(おやつ)」とその森に守られている鶴岡八幡宮を廻る。でした。

「御谷騒動」と言う言葉は知っていましたが現地を訪れ、もっと知りたいと思いいろいろ調べ「いざ鎌倉 御谷騒動回想記」を知り早速買い求めた。事実にまさるものはなし、多くの方にぜひ読んでいただきたくリポート致しました。