鎌倉好き集まれ!JUNEさんの鎌倉リポート・第25号(2004年10月9日)

Adding the relish

寒露の候、一年ぶりの再会を心待ちにしていた。
買ったばかりの赤い自転車。ペダルをこぐ足取りも軽い。
瑞泉寺山門を入り、客殿脇に目を遣ると、あ~っ、咲いてる!
うっすらと小さな白い花々が、ちらほらと雪のように。
近寄って、古木を仰ぐ。
白い秋空に溶け入りそうな可憐な花びら。
未だ5分咲きだけれど、少し元気がないみたい・・とその瞬間、
「無事に・・・治るといいですね」
すぐ傍に、幹に手を触れ樹皮を撫でている男性がひとり。
眼鏡の奥、視線の先には目新しい立て看板が。
「虫害にやられました…(後略)山主」

なるほど、惜しくも上部の幹は切り落とされ、
残された幹の周りに、ガッチリと括り付けられた添え木。
その根元には栄養剤が注入され、如何にも痛々しげなその全容。
しかし樹齢300年の歴史は堅い。あの水戸黄門様だってきっと…。
再び、元気な枝葉の伸長を願って。

冬桜

Bergfeld

ドイツパン特有の歯ごたえと風味。
これほどまでに本場に忠実な味わいを作り出すことができるなんて!
…というのも、こちらの店主は、
自ら年に数度となくドイツに渡り、遊行・修行を積んで帰ってくるとか。
3種類のHardなパンに、彩り鮮やかなサラダと熟成のピクルス。
「心身にいいこと=食」を信条とする店主の心意気が伝わってくる。

赤帽、白ショートパンツ姿の小学生、
花束を抱えて家路を急ぐお姉さん、
仔猫を抱えてお散歩しているおじいさん。
窓越しに金沢街道 岐れ道交差点の往来を眺めながら、
のんびりお寛ぎモードのランチタイム。

Napoleon

「いかがですか?ぜひ!!」

笑顔の可愛らしい店員さんの誘惑に負け、
「ランチ+250円」で好みのケーキをプラス。
店内の中央、ガラスのショーケースの前で中腰になり、
左右キョロキョロ、う~ん、迷うなぁ・・・と長らく悩んだ末に、
見事《ナポレオン》に決定!
バニラ風味のチーズクリームを挟んだミルフィーユのような食感。
外はパリパリ、中はしっとり。
その名に相応しい高貴で濃厚な味わい。
心もお腹も大満足~♪今日まで生きてて良かったぁ。
二階堂界隈、杉本寺へ抜ける裏道。
微かに聞こえる川のせせらぎと静寂な木立の雰囲気が好き。

いつからか「もののけの小道」と名付けて久しい。
というのも、ここを通るたび、
いつもなにやら得体の知れない事柄に遭遇する。
頭上、ふいにガサガサと音がしたかと思うと、
突然、竹垣の縁からリスが肩越しに飛び降りてきたり、
暗闇に、たぬきのような動物が(もぐらかも?・・・定かでない)
目の前をのっそりと横切って行ったり。

さて今日は…いったい!?

裏道

秋めく街路、民家の垣根越しに金木犀の香り。

車輪脇に、ポトリと転がってきた栗の実。
殻が少し割れかけている。よし、中身を取り出してみよう。
まず素手で、毬の先っぽをそぉっとつまんで・・・。
イタタタタ。小さいからと侮るなかれ。
次なる手段、毬に指が触れないよう路傍の小石を2つ使い、
裂け目を両側にゆっくりと開いていくと、
大小連なる愛らしい栗の実がポロりと踊り出た。
と同時に、先客ともご対面、中から毛虫がこんにちは(ヒエ~ッ)。
ムムム、しょうがない…。と諦めかけたものの…。
いざ雪辱戦、スーパーへ。今日の夜は、栗ご飯にしよう。
(あんなに食べて、まだ食べるか~っ!!)

栗の実