トップ鎌倉好き集まれ!JUNEさんトップ 第43号 


▲JUNEさんトップへ戻る

JUNEさんの鎌倉リポート No.43(2005年3月27日)



No.42
No.44



The Fairyland

  
 大石燈篭が立ち並ぶ参道。
 『南無高祖日蓮大菩薩』の幟が風に翻る。
 
 彼岸過ぎ、久しぶりに安国論寺を訪れた。
 
 山門脇の碑文によると、
 建長5年(1253)、
 千葉の小湊から鎌倉入りした日蓮上人が、
 最初の庵をこの地に結び、
 裏山の巌窟に篭って、
 「立正安国論」一巻を書き上げた
 …とある。
  


草庵跡



花桃
  
 桃の原産地は中国。
 東晋の陶淵明作「桃花源記」にこんな伝説がある。
 
 武陵の漁夫が、魚を捕りに渓流をさかのぼるうち、
 桃林に迷い込んだ。
 その里村は、太陽が輝き、桃の花びらが舞う仙境。
 秦の国難を避けた者たちが、
 世の変遷を知ることなく、平穏な生活を送っていた。
 男は歓待されたのち、郷里へ戻るが、
 知人はみな亡くなり、家は既に7代を経ていた…。
 



ハナモモ
 
 桃の日本への渡来は古いとされるが、
 万葉集に詠まれている桃の歌は、たったの7首。
 梅の118首には到底及ばない。
   
 けれども、
 清楚な梅の花を、しっかりものの姉に例えるなら
 華やいだ桃の花は、無邪気で天真爛漫な妹のよう。
  



はなもも
 
 春の苑 紅にほふ 桃の花
 下照る道に 出で立つをとめ
 
 →春の苑の夕暮れ、
  桃の花が紅く映える道に出て立つ少女の姿よ。
 
 これは、
 大伴家持が奈良の都から越中に赴任したときの歌。
 雅な都を偲びつつ、異郷暮らしの淋しさの中、
 やっと訪れた北陸の遅い春。
 この年、妻の坂上大嬢も都から下り、
 待ちわびた二重の喜びを歌に託した。
  

 
 本堂の右手に回ると、
 日蓮の高弟日朗の荼毘所がある。
 
 日蓮が佐渡へ流されるとき
 光則寺裏山の土牢に幽閉された日朗。
 
 自らの亡骸を荼毘に…と遺言に残したほど。
 日朗にとって、
 この場所こそが《理想郷》であるのかも。
 


荼毘所


No.42
No.44