咲いた、咲いた
　　　　今年もきれいに咲いた♪
　　
　　
　　　　妙本寺の凌霄花。
　　　　天凌ぐほどに ぐんぐん蔓を巻き上げて。

　　　
　　　　静かに佇む二天門
　　　　朱塗りの陰に なにやら人の気配がした。
　　　
　　　　　

　　
　　　　
　　「カチャン…」お賽銭の音に振り向くと、
　　小麦色に日焼けした男性が 一人。
　　
　　二カッと笑い ペコリとこちらに会釈をすると
　　肩から大きなザックを下ろした。
　　　
　　
　　溢れる花に投げかけた 深い眼差し。
　　一途な視線を 決して逸らすことなく。
　　ユックリユックリ･･･木の周囲をカニ歩き。
　　　
　　それはまるで、
　　互いに引きあう地球と月のように。
　　
　　　　　　　

　　　
　　　
　　　　　
　　　
　　　･･･いったい何周しただろう。
　　　
　　　ようやく納得の“カメラ アングル”を捉えたその男性
　　　こちらに近寄るなり帽子を脱ぐと、又もや ペコリ。
　　　　　
　　　　
　　　「ご迷惑をおかけしますが、
　　　　しばらく写真を撮らせて下さい」

　　　
　　　
　　　
　　　
　　「ほ～ら あそこで木登りしてる日蓮像も暑そうだねー」
　　　･･･なんてボクとオチャラケてる場合じゃない。
　　　
　　　
　　今こそちゃんと 撮影のコツ,ポイントを見ておかなきゃ。
　　
　　
　　模倣に始まり 模倣に終わる――
　　　･･･ナンテことにならないように･･･ネッ。
　　　
　　　

　　　
　　　
　　　
　　　
　　　このお寺で
　　　イヤな思いをしたことは一度もない。
　　　　
　　　　
　　　訪れるたび
　　　ホッとやすらぐひとときと出会いがある。