鎌倉好き集まれ!山田海人さんの鎌倉リポート・第19号(2005年6月17日)

重戦車のようなガイシ達

たかがガイシ されどガイシ

 鎌倉の海岸に打ち寄せられる人工物でも時折打ち
あがるのが重戦車のようなガイシ達です。

 ガイシは家庭の屋根裏などの配線の絶縁防止用に
使われているもので、磁器製で石のように重く、丈
夫に作られています。 これが砂浜に寄せられると
こんなに存在感のあるものになります。
 画像にあるようにこのガイシは卵型をしています。受信
用のアンテナなどの使われていたのでしょうか? 新品は
全て茶色であったものが波にもまれて、岩ですられて角に
白い素地が出てきています。 これが長く海の底にいた証
で”おもむき”が出きています。

卵のような形のガイシです

新品のような白いガイシ

 ガイシと言えば送電線の大きなガイシや電柱のガイシ
もかなり大きいのですが、海辺のガイシは家庭用などの
小さめのものが多いです。
 このガイシも品位があって大事にしています。
 これまで鎌倉で拾ったガイシの大半はシンプルで小さな
家庭用のガイシ達です。 長い間海でもまれたように、白
いツヤの表面は無くなって素地だけのガイシ達です。
 このガイシを手に取ると、今はもう無い素朴な木の電柱
についていたガイシの姿が浮かんできます。

 これらガイシには、マークも無ければ番号もなく、会社
名もありません。 なにも手がかりのないガイシ、無名の
まま、無言の抗議が聞こえてきそうです。

これまで拾ったガイシ達