鎌倉好き集まれ!KIさんの鎌倉リポート・第99号(2008年7月24日)
続々『湘南海岸,歩き旅』 ミーニシ編(その2:葉山~横須賀北部 +鎌倉)
葉山の海岸
2007年11月15日,葉山の一色海岸。
この地で,続『湘南海岸,歩き旅』若夏編を終えたのは,ほぼ5ヶ月前のこと(レポートNo.52参照)。
秋の西日さす砂浜から歩き旅の続きが始まりました。米兵と思しき外国人の一家が浜遊びしている砂浜を越え,磯を越えて葉山御用邸前の赤い橋を渡ると,シーカヤックやヨットの船体が並ぶ大浜海岸に出ます。
右手に白く輝く海,左手に葉山公園を眺めながら,砂浜をなおも南へと進むと長者ヶ崎の海岸。葉山町の南端です。
横須賀市と境界なす長者ヶ崎の展望広場に上がってきたのは16時。一色海岸から,遅足で時々立ち止まりながら約40分ほどでした。
横須賀市の西海岸へ
あっけなく葉山町を通過して横須賀市内の西海岸へ。
国道134号線沿いの峯山の海岸線を歩きます。ほとんど砂浜がない堤防と道路が一見ずっと続いているような殺風景さに,風説通り「湘南」の東の終点はこのあたりかなと思いきやそうでもなさそう。
後日,改めて訪れた峯山の海では,人工的に修復されたビーチを前に大勢のサーファー達が,これぞ理想のオフショアとばかりに果敢に波に挑んでいました。海辺のサーフィンショップと海をサーフボードを手に足繁く往来する様は,片瀬や鎌倉の海でよく見る光景。
湘南の風わたる秋谷海岸へ
さて,2007年11月15日,16時半。
赤橙色の夕日を右手にさらに国道134号線を南下。久留和海岸で海に沈む夕日を拝みました。うっすら浮かぶ富士山をバックに夕焼け染まる海は雄大でした。
久留和海岸から国道134号線に戻り再び南へ。エーゲ海に佇む白亜の建物を思わせる,海岸のアンティークショップやカフェなどが立ち並ぶ海岸線をさらに歩けば,17時過ぎに秋谷の立石海岸公園に到着。
立石(たちいし)と呼ばれる,海にそびえる巨大な岩がトレンドマークの知る人ぞ知る夕景の名勝。ガレージとゆったり寛げるレストランが完備した公園は,ちょうど鎌倉の稲村ガ崎と好対照です。
ちなみに,鎌倉の稲村ガ崎が新田義貞の鎌倉攻めの古戦場(1333年)ならば,こちら秋谷もまた古戦場。1516年に北条早雲と三浦道寸が激戦を繰り広げた地なのです。
次第に日が暮れていきました。
「この秋谷海岸あたりにまで湘南の風が行き渡っているなぁ~」
秋谷海岸のレストランで季節メニューをオーダーし,待っている間に,富士山と江ノ島がある方向を眺めながらそう思った次第。
一般には「湘南」の範疇に入るのは葉山までといわれているのですが,実際に歩いてみれば,横須賀市のここ秋谷海岸までずっと湘南的風景が途切れなく続いているように自分は感じました。
「湘南の終点があるのはもっとこの先」
今度は三浦半島の先端の方向を見渡します。佐島漁港で獲れたての秋イワシと三浦野菜のマリネに舌鼓を打ちながら,窓の外を眺めれば漆黒の海にぽつりぽつりと浮かぶ灯りのラインが海と陸の境界をあらわしていました。ん?あれに見えるはヨットじゃないか・・・
そして18時半,暗闇の秋谷海岸のレストランを後にしました。
芦名海岸,夜の湘南ヨットハーバー
帰途に着く前に立ち寄ったのは,芦名海岸にあるヨットハーバー。レストランでもらった地図を頼りに,国道134号線から脇のクネクネ道を歩いて下ること20分ほどで,海の向こうにライトアップされたヨット群が見えました。
このヨットハーバーの正式名称は「サニーサイドマリーナ」。
湘南のど真ん中にある江ノ島のヨットハーバーを手始めに,逗子マリーナに,小坪マリーナに,葉山マリーナ,そしてここ横須賀芦名のサニーサイドマリーナ。ヨットハーバーもまた湘南の風物詩といえば風物詩なんでしょうが,湘南の東の終点がどこなのかを考える上で,そのヨットハーバーが後に大きな悩みの種になるのですが,それは後日のレポートでお話しするということで・・・
ともあれ,居並ぶヨット群を前に,芦名海岸も「湘南」だという結論に至った次第。
20時,芦名海岸を後にして,県道から逗子・鎌倉方面へと戻るバスに乗車,ようやく帰途に着きました。
2007年11月15日の湘南海岸歩き旅では,横須賀の秋谷・芦名あたりまで湘南の風が届いているらしいことを確認できたけれど,「湘南」の東の終点は見出せませんでした。 それでは,三浦半島のもっと南にきっとあるだろう湘南の東の終点はどこなんでしょうねぇ。
その問題を解決すべく,翌月,三浦半島をさらに南下しました。(つづく)