鎌倉好き集まれ!kumaさんの鎌倉リポート・第2号(2003年10月9日)

鎌倉薪能 観能記

 
 この間、初めて鎌倉薪能に行ってきました。
高い倍率を勝ち抜いて当たったのはいいものの、平日木曜日開催はさすがに苦しいものがありました。結局半日だけお休みをいただいてのとんぼ返り、、サラリーマンは辛いですね。
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 友人を誘って鎌倉宮へ向かうと、すでに長蛇の列が待ち構えていました。
ほどなくして境内に入ると、ぎっちりと観客席が組まれていて、いやが上にも期待が高まります・・ドキドキ・・

待ち時間が長いので、毎年来られている方の中には、お弁当と毛布持参のつわものも。
お弁当屋も何店か出店してました。

鉢の木さんのお弁当を購入して時を待ちます。美味。

最後尾はこちらでーす。

神事を行っている間は何人も通ること能わず。



日が暮れるまで、ゆっくりと能の準備が整われます。

まずは、これから奉納する薪能に向け、奥の宮で神事が行われます。
その間、何人たりとも通させないと僧兵たちが立ちはだかる。会場には神事の声だけが響きます。

見えない部分にもこの演出。さすがのこだわりと大塔宮への敬意に感服しました。見る方にも自然と背筋ののびる思いがします。ぜひずっと続けてほしい儀式ですね。


 次第に空気が冴えて来て、お互いの顔もおぼつかなくなる誰そ彼れ(たそがれ)時になると、笛太鼓の音が鳴りはじめ、宮司たちが薪に火を灯します。

屋外で能を舞うとは、どういうことなのでしょうか。その意味が今回よく分かりました。

次第にひんやりと鋭さを増す空気。時折ばちばちと爆ぜる炎。
地謡に合わせて虫たちがアンサンブルを奏で、
木立はさやさやと秋風に舞い、シテの動きに合わせ煙は身をくゆらせます。

視覚、聴覚、嗅覚までも演出に取り込んだ能楽の奥深さにしばし日々の喧騒を忘れました!

幽玄とは、こういうことを言うのですね。

さいごには、名月も観賞しに顔を出しました。

演能中は撮影禁止。手前はおみやげの魔よけ獅子(笑)。