鎌倉好き集まれ!まこたろうさんの鎌倉リポート・第21号(2008年5月11日)
母の日に 江の島~極楽寺~成就院
江ノ電に乗り、初めて極楽寺に来ました。私が「江ノ電」の存在を知ったのは、昭和52年頃にテレビ放送されていた「俺たちの朝」というドラマを通してだと思います。勝野洋さん、長谷直美さん、小倉一郎さんなどが出演されていた番組でした。当時信州で中学生だった私は、ドラマで展開されるような青春時代を将来の自分と重ね合わせていたような気がします。家族皆で見ていました。時には、英語の勉強の為に買ってもらったはずのカセットデッキをテレビの前に置いて録音する程この番組が好きでした。録音する前に「放送中絶対声を出さないでね!」と忠告したのに母の声が入ってしまい、その事を怒っている自分の声まで録音してしまい、当時切ない思いをした事が駅で降りた途端に思い出されました。
いつか「江ノ電」に乗り、最初に行きたいと思っていたのが「極楽寺」でした。ドラマの中でも頻繁に登場した駅ですので、自分の中では「江ノ電」=「極楽寺」の印象が強かったのだと思います。少年時代の、昨日描いたような夢が、思いもよらない「将来」に実現した瞬間でした。
ご存知の方も多いかと思いますが、「江ノ電カレンダー」の絵を描かれている田口雅巳さんの絵葉書「古都の駅」(江ノ電沿線新聞社)の中で「緑の音」というタイトルで描かれている極楽寺駅はこのようなアングルです。田口さんの画風がとても好きです。
ご存知の方も多いかと思いますが、「江ノ電カレンダー」の絵を描かれている田口雅巳さんの絵葉書「古都の駅」(江ノ電沿線新聞社)の中で「緑の音」というタイトルで描かれている極楽寺駅はこのようなアングルです。田口さんの画風がとても好きです。
改札を出て左に上がり江ノ電の線路を挟んだ反対側にあります。鎌倉には珍しい真言律宗のお寺で、最盛期には七堂伽藍、子院が49もあった大寺院だったそうです。開山は忍性(にんしょう)。道路の改修工事、架橋工事、医療活動など社会事業に尽くし、生き仏、医王如来と崇められました。
参道を進むと八重一重を1本の木が咲き分けるという珍しい山桜があります。参道正面には本堂があり、その右手前には病人救済や治療の為に使ったという薬鉢と千服茶臼があります。貧者や病者の救済、土木事業などめざましい活躍をされた忍性に救われた者は5万人を越えるといわれています。没後、後醍醐天皇より忍性菩薩の号を与えられました。ご本尊のお釈迦様は秘仏ですが、毎年花祭り(4月7~9日)に公開されます。桜の季節に是非来ようと思いました。
骨董時計が並んでいます。
唯一のトンネルを抜け出した江ノ電です。桜橋は赤いこじんまりとした橋です。
線路脇の壁に点在していましたし、道端にも多くありました。逞しさと可憐さを感じさせました。